マクドナルド、「マックスプーン」を廃止した理由は“想定外”だった

1970年代後半、マクドナルドは思わぬ“社会問題”の中心に立たされました。
同社がコーヒー用に配布していた小さなスプーン型のマドラー、通称**「マックスプーン（McSpoon）」が、一部の人々に薬物使用の道具**として悪用され始めたのです。

このマドラーは小さなスプーン状で、およそ100ミリグラムの粉末をすくえる設計でした。
その形状が**コカインやPCP（幻覚剤）**などを計量・摂取するのに「ちょうどいい」とされ、マクドナルドの名が思わぬ形で注目を浴びてしまいました。

問題はついにアメリカ議会の公聴会でも取り上げられます。
全米薬物防止団体「National Federation of Parents for Drug-Free Youth（薬物のない青少年を目指す全国連盟）」の代表ジョイス・ナレプカ氏は、当時のマクドナルド社長エド・シュミット氏に対し、「子どもたちへの影響を考慮して、このスプーンを廃止すべきだ」と訴えました。

当初は消極的だったマクドナルドも、最終的には世論を重視し、1979年12月にスプーン型を廃止。
代わりに平らな形状のマドラーに変更しました。

しかし、オリジナルの「マックスプーン」はその後も1990年代まで一部で“計量スプーン”として使われ続けたと報じられています。